Architect解説講座

第4回「スラブツール」

ArchitectLandmarkSpotlightDesigner

4.1.3 高さの設定

続いて、スラブの高さを設定します。

1. スラブの設定ダイアログの配置オプションタブを選択します。

配置オプション

2. 各パラメータを設定することで、作成するスラブの高さやオフセットを指定することができます。ここでは、以下のように設定し、OK ボタンをクリックします。

  • 高さ
    • 起点参照レイヤ(Z):「スラブ」
    • レイヤZからの起点オフセット:「0」
  • クラス:「<アクティブクラス>」
  • テクスチャ:「構成要素のテクスチャを使用」

配置オプションの設定

BIMで建築モデルを作成する場合は、ストーリを利用する場面が多くなると思います。
そのとき、起点参照レイヤをストーリレイヤにしておくと、ストーリの移動に伴ってスラブの高さも自動的に調整することができます。

Architect解説講座

第3回「壁結合」

ArchitectLandmarkSpotlightDesigner

3.1.2 T字結合

T字結合は、一方の壁にもう一方の壁が突き合わせる形で結合される状態を意味します。この結合は、外壁と内壁の結合などで使われる場合が多いでしょう。T字結合では、1 回目にどちらの壁をクリックするかが重要です。

 

1. 「壁結合_単純壁_T字結合.vwx」を開きます。

単純壁T字結合

2. ツールセットパレットの建物グループに入っている壁結合ツールを選択します。

3. ツールバーT字結合モードと包絡結合モードを選択します。

4. T字の垂直部分に該当する壁カーソルをあわせます。壁が赤くハイライト表示されたら 1 回目のクリックをします。

1回目のクリック

5. T字の水平部分に該当する壁にカーソルをあわせ、壁が赤くハイライト表示されたら 2 回目のクリックをします。

2回目のクリック

6. 壁がT字に包絡結合されます。

T字包絡結合

7. ツールバー突き合わせ結合モードを選択します。

8. T字の垂直部分に該当する壁カーソルをあわせます。壁が赤くハイライト表示されたら 1 回目のクリックをします。

1回目のクリック

9. T字の水平部分に該当する壁にカーソルをあわせ、壁が赤くハイライト表示されたら 2 回目のクリックをします。

2回目のクリック

10. 壁がT字に突き合わせ結合されます。

T字突き合わせ結合

Architect解説講座

第2回「壁ツール」

ArchitectLandmarkSpotlightDesigner

2.1.2 厚みと属性の設定

まずは、壁の厚みを設定します。

 

1. ールセットパレットの建物グループに入っているツールを選択します。

2. ツールバー設定ボタンをクリックします。壁の設定ダイアログが表示されます。

壁の設定ダイアログ

3. 情報タブの全体の厚みに「200」と入力します。

厚みの入力

4. 壁属性の編集ボタンをクリックします。壁の属性ダイアログが表示されます。

壁の属性ダイアログ

5. このダイアログでダブルライン全体の面や線の属性を設定することができます。ここでは、以下のように設定し、OK ボタンをクリックします。クラス属性は使いません。

    • 面のスタイル:「カラー」
    • 面の色:「黒」
    • 線のスタイル:「カラー」
    • 線の色:「黒」
    • 線種:「0.05」
  • 不透明度:「50」
  • 壁の端部:「壁線の属性を使用」

壁の属性の入力

6. 壁の設定ダイアログに、設定した壁のプレビューが表示されます。
なお、壁の属性ダイアログで面や線などの「クラス属性」にチェックを入れた場合、上記設定はできず、壁オブジェクトに割り当てられるクラスの属性が適用されます。

壁のプレビュー

実践OpenBIM

12. SAVE-建築との連携

スペースへ変換します。

一連の作業をより詳細にご覧になりたい方は、「BIM実践講座」や、「Open BIM : CADWe’ll TfasIVとの連携」をご覧下さい。

スペースに変換されました。

スペースに変換後

アングルを変えて確認します。

スペースを3D表示

 

すべての階を同様の方法でスペース化しました。

各階スペース

壁や建具、柱をモデリングしていきます。

建具や柱を設置

Architectの専用ツール、専用コマンドを活用します。

3Dで表示

◎POINT-1 !!
ここで、「SAVE-建築」にデータを渡す際のポイントを紹介いたします。
「SAVE-建築」側で建築外皮の情報を自動取得し、PAL計算用の情報として処理します。 その際、壁が柱で分断されていると、設定項目が煩雑化し、作業の省力化がなされません。
Vectorworks側では、壁のみ、または柱を壁が貫通したモデルを作成すると、SAVE-建築側で効率良く作業を行なうことが可能です。(詳細は、SAVE-建築側の説明を参照下さい)

柱を貫通した壁の配置

柱を貫通した壁の配置

柱をハイライト表示

柱をハイライト表示

今回は、壁が柱を貫通するモデルとして作成しました。
( 意匠設計において、柱位置は重要な要素となります。モデリング後のデータ利用によって、柱と壁の取り合いは修正可能です。)

◎POINT-2 !!
作成した壁オブジェクトに名前を付けておきます。 これは、「SAVE-建築」の層構成設定ダイアログにて、設定しやすくするためです。
詳しくは、「SAVE-建築」の材料設定をご覧下さい。

データパレット

Architect解説講座

第1回「ストーリ」

ArchitectDesigner

1.1 ストーリの考え方

建物には各階の高さと、各階におけるさまざまな仕上げレベルが存在しています。Vectorworks Architectでは、これらのFLや仕上げレベルを明示的に設定し、モデリングのガイドとして使用することができます。

1.1.1 ストーリとストーリレイヤ

ストーリは1つの階を意味し、ストーリレイヤは1つの階に含まれるさまざまな仕上げレベルを表します。
ストーリレイヤは各ストーリに関連付けられるため、ストーリの移動に伴ってストーリレイヤも自動的に移動します。

ストーリの構成

 

1.1.2 ストーリの高さとレベルタイプ

2階を例にとってみます。2階のFLが「3,000mm」として、FLの基準をスラブ上端だとします。その場合、まず2階のストーリを高さ「3,000mm」に作成し、2階に含まれるストーリレイヤのうち、スラブのレベルを「+0mm」に設定します。こうすることで2階のFL基準をスラブとし、高さを「3,000mm」にすることができます。さらに、床仕上げが「2階FL+100mm」だとすると、床仕上げのストーリレイヤを「+100mm」として作成します。
つまり、ストーリ自体の高さはGLからの絶対値として設定し、ストーリレイヤは所属するストーリの高さからの相対値として入力します。ストーリレイヤの高さを後から変更することはできますが、ストーリ自体の高さは変わらず、ストーリ内の相対的な位置関係だけが変更されます。

ストーリの高さ

実践OpenBIM

11. 建築ピボットに聞く

井出:
中規模でグレードの高いオフィスの設計で、SAVE-建築が活用されたと聞いています。 全面ガラス張りのデザイン性の強いオフィスでしたが、建築材料や庇の形状確認などを通して、環境性能の高いオフィスであることを、設計段階で確認しております。

カーテンウォール設定画面

材料設定画面

日よけ装置設定画面

竹口:
SAVE-建築の特徴が見えてきたような気がします。 今までの省エネ設計や計算は設備設計者の領域であったように思われていますが、SAVE-建築は、建築における環境性能が決定する最初期の段階、つまり意匠設計時に使えるように開発されたということですね。

村松:
私達が提唱したいのは、意匠設計からの省エネ解析です。
BIMではフロントローディングが叫ばれておりますが、BIMを積極的に導入しようとする人の意識と、省エネのフロントローディングは近い関係にあるように感じます。


竹口:
BIMの普及とともに、需要は拡大していきそうですね。

村松:
平成22年の省エネ法改正では、300m²以上が届出の対象となったため、ほとんどのビル建築が届出対象となりました。
それまでは省エネ解析は努力義務でしたが、法改正によりニーズは拡大しました。
しかし、今年の省エネルギー基準の改正もあり、設計者や届出業務を担当する企業や部署では対応に追われているのが現状です。

 一方で、金利優遇などのインセンティブ制度を設けて、(アメとムチの政策で)環境性能を底上げしていこうという政府の方針があります。

CASBEEによる評価も、まだ一部の自治体に限られていることから、全国的に需要が拡大していくのはこれからと考えております。

低炭素社会に向けた住まいと住まい方の推進に関する工程表(出展:国土交通省)

実践OpenBIM

10. Solibri Model Checkerの紹介

10-2. Solibri Model Checker の使い方

SMCを起動すると、以下の画面が開きます。

タブが5つ「ファイル」「モデル」「確認」「プレゼンテーション」「情報の取り出し」と並んでいますが、向かって左側のタブから順に操作していくのが基本となります。

10-2-1. 「ファイル」タブ

この画面は、IFCファイルの取り込みを主に行ない、過去に用いたIFCファイルを履歴管理する画面と、IFCモデルが格納されている場所を示す管理画面がデフォルトで表示されます。

また、SMCの言語環境の変更や、各種環境設定、「Ruleset Manager」へのアクセスはここから行ないます。

ファイルタブ

 

10-2-2. 「モデル」タブ

この画面は、Solibri Model Viewer とほぼ同じとなりますが、SMCが日本語表記に対応したことで、IFCに対する親近感が湧くのではないでしょうか。

モデルタブ

実践OpenBIM

9. GLOOBEとのIFC検証

9-3.検証に用いた建物について

今回、検証に用いた建物は、以下の通りです。

  • 階数:地上2階、地下1階
  • 階高:4000mm
  • 部屋数:5(機械室2、事務室2、会議室1)

必ず用いる部位として、以下のものを用いました。

  • スペース(Space)
  • 梁(Beam)
  • 柱(Column)
  • 床/スラブ(Slab)
  • 壁(Wall)
  • 窓(Window)
  • ドア(Door)
  • 地形/地盤(Site)

建物パース

建物立面 / スペース平面

各階天伏図