よくある質問解説講座

第16回「プロジェクト共有 – 概要編 – 」

ArchitectLandmarkSpotlightDesigner

16-3. 用語集

プロジェクト共有の機能を理解するために必要な用語を解説します。

プロジェクト共有

Vectorworks内のマルチユーザ環境。
プロジェクト共有は、Vectorworksファイル内で設計チームが同時に作業できるようにすることで、プロジェクトの体制と管理を効率化する環境を提供します。

 

プロジェクトファイル

プロジェクトの共有や共同作業のための「ハブ」として機能する単一のファイルです。

すべてのチームメンバーは、自分のワーキングファイルを通してプロジェクトファイルにアクセスできます。プロジェクトファイルは、新しいファイル拡張子.vwxpで指定されます。
プロジェクトファイルを開くと、ワーキングファイルが作成されます。これは、プロジェクトファイルが常にワーキングファイルを通してアクセスされることを意味します。

プロジェクトファイルは、チームメンバー全員がアクセスできるサーバか、クラウドベースのストレージフォルダに保存してください。

ワーキングファイル

各チームメンバー固有のプロジェクトファイルのローカルコピーファイル。
ワーキングファイルは、プロジェクトファイルのデータを追加・削除・編集するために使用されます。すべてのモデリングと図面作成はワーキングファイルで行われ、その後プロジェクトファイルに反映されます。

ワーキングファイルは、新しいファイル拡張子.vwxwで指定されます。ワーキングファイルを開くと、ファイルのタイトルバーに「ワーキングファイル」と表示され、現在ワーキングファイルに入っていることを示します。

またワーキングファイルの名前は、プロジェクトファイル名を基にユーザ名が付加されたものになります。ワーキングファイルは各ユーザ固有のものであり、指定されたユーザのみが使用できます。

各ユーザが複数のワーキングファイルを作成することも可能ですが、推奨しません。
タイトルバー – 通常のVectorworksファイル
タイトルバー – ワーキングファイル

チェックアウト

オブジェクト・デザインレイヤ・シートレイヤを独占的に使用するために「予約」すること。
ある人がレイヤ・オブジェクトをチェックアウトすると、その人がオーナーになります。そのオブジェクトやレイヤは、リリースされるまで他のチームメンバーは利用できなくなります。複数のレイヤ・オブジェクトを一度にチェックアウトすることができます。

リリース

チェックアウトしたオブジェクトやレイヤへの「予約」や独占的なアクセス権を放棄すること。これにより、他のメンバーがチェックアウトできるようになります。

反映

ワーキングファイルで行った変更をプロジェクトファイルに保存すること。

更新

ワーキングファイルの古い部分をすべて更新します。更新は、他のチームメンバーがプロジェクトファイルへの変更を反映した後に行われ、自分のワーキングファイルの一部古い部分が最新の状態になります。更新をしても自分のワーキングファイルを反映しませんし、反映されていない作業にも影響しません。

元に戻す

ワーキングファイルに行った変更を破棄し、プロジェクトファイルの正確なコピーを再読み込みします。これは、ワーキングファイルへの変更をプロジェクトファイルに反映せずに破棄する場合にのみ使用してください。

マスターレイヤ

プロジェクトの期間中に頻繁に変更されない、指定された「特別な」レイヤ。

マスターレイヤには、変更したり上書きしたりしてはならない重要な情報が含まれている場合があります。例としては、プロジェクトの通り芯を含むデザインレイヤがあります。プロジェクト内に複数のマスターレイヤを持つことができます。

オフラインモード

チェックアウトされたレイヤの独占的なアクセス権を維持したまま、ワーキングファイルがプロジェクトファイルから切断された状態。

オフラインモードでは、プロジェクトファイルが保存されているサーバにアクセスせずに作業を続けることができます。レイヤへの独占的なアクセス権を維持するためには、オフラインモードを使用する前にレイヤをチェックアウトする必要があります。ワーキングファイルがサーバとプロジェクトファイルに再接続されると、オフラインモードで行った変更をプロジェクトファイルに反映することができます。

権限レベル

Vectorworksのプロジェクト共有独自の機能として、プロジェクトチームの各メンバーに権限レベルを割り当てる機能です。権限レベルは、管理者から読み取り専用まであり、レイヤ/リソースプロジェクト、と細かくコントロールすることができます。

   「プロジェクト共有 -操作編 1-」参照

管理者権限リリース

管理者権限を持つユーザは、他のユーザによってチェックアウトされたオブジェクトやレイヤを強制的にリリースできます。

未反映の更新

ワーキングファイルに加えられた変更で、プロジェクトファイルに反映されていないもの。

 

16-4. その他

2021年に、Cloud Services上でプロジェクト共有が可能になりました!
詳細は以下記事にてご確認ください。

 

また、Vectorworks ヘルプからもプロジェクト共有に関する情報をご確認いただけます。
よくある質問解説講座第7回:「もっと詳しく調べたい!」

よくある質問解説講座

第14回「ハッチングの作り方」

FundamentalsArchitectLandmarkSpotlightDesigner

Vectorworksに昔からある機能、ハッチング。とはいえ、その作成方法が実はよく分からない、という方もいるのではないでしょうか。

ここでは、ハッチングを新たに作成する方法と、Vectorworksに収録されているハッチングの使い方、割り当てたハッチングを編集する方法についてご紹介します。

“第14回「ハッチングの作り方」” の続きを読む

お知らせ

【海外事例】柔軟性に富んだデザインをする適応力のある人々

COVID-19が世界を席巻しニューノーマルな生活が求められている今日、Vectorworksを使用してそのデザインとスキルで人助けをしている海外事例をご紹介します。
短期間で多数の臨時病院を設計した会社と、バーチャル卒業式を企画し実施をしている会社の2社です。

“【海外事例】柔軟性に富んだデザインをする適応力のある人々” の続きを読む

お知らせ

【海外事例】今こそ3Dで正しい地形分析を

屋外環境において、地形や植栽、太陽光などを3Dモデル化し分析をすることは、美的観点からも経済的な影響からも重要です。
アメリカ ニュージャージー州のランドスケープアーキテクチャーであるDanilo Maffei氏が執筆した海外事例を紹介します。

“【海外事例】今こそ3Dで正しい地形分析を” の続きを読む

お知らせ

Vectorworks 2020 SP3のご紹介

本日、Vectorworks 2020 日本語版のサービスパック3(SP3)がリリースされました!
今回のアップデートでは、多数の修正といくつかの新機能が含まれています。
ここでは、新たに搭載された機能をご紹介いたします。
七夕の贈り物で、より快適なVectorworksをどうぞお楽しみください。

“Vectorworks 2020 SP3のご紹介” の続きを読む

マリオネット・スクリプト解説講座

第4回「レイヤ追従型柱状体」

ArchitectLandmarkSpotlightDesigner

4-2. 柱状体の作成

4-1で作成した四角形のネットワークを利用して柱状体を作成します。

4-2-1. シンプルな柱状体

まずは指定した高さの柱状体を作ってみます。

  • 使用するノード
    • 入力関数初級Dim 1つ
    • 図形ソリッドExtrude 1つ

先ほどの四角形のネットワークの最後のMoveノードの出力「itemOut」をExtrudeノードの入力「hObj」につなぎます。移動後の四角形が柱状体の底面として指定されます。

Dimノードを選択し、オブジェクト情報パレットのDimに「100」と入力したら、Dimノードの出力をExtrudeノードの入力「nTop」に接続します。

4-2-2. ハイブリッド化

このままだと柱状体の形状が残らないので、底面の四角形と柱状体をグループ化します。

  • 使用するノード
    • 操作Group 1つ

Moveノードの出力「itemOut」とExtrudeノードの出力「hObj」を、Groupノードの入力「hObjs」に接続します。入力「hGroup」には何も接続しません。

これで底面の2D四角形と3Dの柱状体が1つのグループになり、2D/平面の表示のときは四角形が表示され、3Dのときは柱状体が表示されるようになります。

4-2-3. いったん確認

まずはこの段階で柱状体ができるか確認してみます。

ネットワークの任意のノードの上で右クリックして、マリオネットスクリプトを実行を選択します。
高さ100で固定の柱状体が作成されます。中心が座標「0, 0」になっているのを確認できると思います。

よくある質問解説講座

第10回「太陽光のシミュレーション」

ArchitectLandmarkSpotlightDesigner

この敷地にある建物に、どのように陽が差して陰るのかを確認したい!と思ったことはありますか?
太陽光設定ツールを使うと、特定の場所の特定の日時の太陽光を、3Dでシミュレーションすることができます。
さらにフィジカルスカイとの組み合わせで、朝なら朝の、夕方なら夕方の背景をドラマティックに表現できます。夜には星も!
外観パースの作成に、日照の検証に、近隣への説明資料作りに、ぜひご利用ください。
この機能は、Fundamentals以外のデザインシリーズでご利用いただけます。

“第10回「太陽光のシミュレーション」” の続きを読む